タイと日本の文化・生活の違い15選【バンコク移住でわかったこと】

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タイの首都バンコクに移住してみると、旅行では気づかなかった日本との数々の違いが身近に感じられます。この記事では、タイでの生活を通して発見した、日本との文化や生活の違いを15の視点でお伝えします。現地の風景や人々の行動、暮らし方に触れながら、タイの魅力とそれに伴う苦労も包み隠さず紹介していきます。

1. 交通手段が多様

多彩な移動手段

バンコクは、移動手段がとても多彩です。市内にはスカイトレイン(BTS)や地下鉄、バス、タクシー、民間の配車サービス、さらには伝統的なトゥクトゥクやバイクタクシーなど、選ぶべき交通手段がたくさんあります。道路渋滞が深刻なため、川沿いを走るボートや運河沿いの移動手段が重宝される場合もあります。こうした選択肢の多さは、日本ではあまり見られない点であり、移住者にとっては新鮮な驚きになるでしょう。

2. 道路・交通事情が悪すぎる

渋滞とインフラの課題

バンコクの特徴のひとつは、常に渋滞に悩まされることです。大通りから枝分かれするソイ(小道)は行き止まりが多く、転回して戻る必要があるため、特に忙しい時間帯には非常に混雑します。また、雨季になると冠水するエリアもあり、排水が十分でないために歩道や道路にゴミや生ゴミが散乱することもしばしば見受けられます。ベビーカーでの移動が特に大変で、歩道の段差や舗装の乱れによって転倒の危険も感じます。こうしたインフラの課題は、交通安全や移動のしやすさという点で、日本と大きな差を感じさせます。

3. 朝が早い

早朝から活動がスタート

バンコクでは、太陽が昇る前からすでに街が動き出しています。朝5時頃から渋滞が始まり、通勤や通学のために多くの人が早朝の移動を余儀なくされます。例えば、子どもたちを送り出すスクールバスが、渋滞に巻き込まれないように早い時間帯に出発するという工夫がなされています。屋台が立ち並び、通勤の人々がウォーキングをしながら朝の運動をする様子は、日本の朝とはまるで違った雰囲気を醸し出しています。

4. タンブン(寄付)の習慣

仏教に根づいた行為

タイは仏教国であり、その文化のひとつに「タンブン」があります。これは、日常生活の中で他者や動物への施しを行い、徳を積むという習慣です。お寺で魚の餌を買ったり、路上生活者に寄付する光景はごく自然に見られ、若い世代も自分の財布からお金を出して寄付を行います。たとえ、裏の事情があるという意見も一部にはありますが、タイの人々にとっては日常的な行為です。こうした文化は、他者への優しさや共感を育む大切な一面として捉えられています。

5. 仏教が生活に根付いている

お寺と信仰の存在感

タイの日常では、仏教への信仰があらゆる場所に息づいています。街中やビルの前、乗り物内に至るまで、神様やお坊さんの存在を感じることができます。例えば、托鉢(たくはつ)する僧侶や、優先席に座る際に配慮されるお坊さんは、日本の感覚にはない光景です。ほとんどの場所にお寺があり、神様への一礼が習慣となっているため、人々は自然と「仏教の国」という実感を持つのです。こんな風にして、日常のあらゆる瞬間に信仰が息づく環境は、日本との大きな違いです。

6. 子どもを大切にする社会

温かいおもてなしと気遣い

タイでは、子どもが現れると自然に周囲の大人が手を差し伸べる文化があります。電車内や公共の場で、子どもが乗ってくるや否や座席を譲るなどの心遣いが見受けられ、レストランではスタッフが子どもを可愛がる光景もよくあります。子どもの安全や成長を第一に考えるため、親以外の人々も温かく見守り、時には抱っこしてあげるなど、移住者が感じる安心感につながっています。こうした文化は、子育て環境をより温かく、そして支え合う社会を作り出していると言えるでしょう。

7. 肥満の人が多い

食生活と生活習慣の影響

タイに住むうちに、意外にも地元の人々の体型に気づくことがあります。屋台料理や甘い飲み物、豊富な砂糖が使われた料理が日常的に楽しまれているためか、肥満や糖尿病といった健康問題が社会的に取りざたされています。親が子どもに甘いお菓子を与え、積極的な運動をさせない傾向も影響していると考えられます。もちろん、魅力的な食文化はタイならではの魅力ですが、健康管理の面では日本と異なる課題を抱えていることが明白です。

8. 人種や文化の多様性

異なる民族と伝統が交差する街

タイは、多民族国家としての顔も持っています。タイ民族だけでなく、中国系、マレー系など、さまざまな民族や宗教が共存しているため、食文化や言語、行事にもその多様性が表れています。中華系の影響を受けた市場や料理、イスラム教徒が多いエリアでのハラール認証の商品など、生活の中で異文化交流を感じることができます。こうした多様性は、バンコクという国際都市ならではの、豊かで奥深い文化背景を作り出しているのです。

9. LGBTの共存

性別の壁を超えた社会

タイでは、LGBTに対する理解が非常に進んでいます。教師や一般の店員、ビジネスマンの中にもトランスジェンダーの方など、性別にとらわれず生きる人々が自然な形で存在しています。学校で自分の性認識に沿った制服を着るなど、誰も違和感を持たない環境は、日本と比較して非常にオープンであり、差別が少ない社会としての一面を見せています。この柔軟な価値観は、タイならではのリベラルな精神を象徴しているともいえるでしょう。

10. 日本人・日本のお店の存在

国際都市としての利便性

バンコクの中でも特にスクンビットエリアは、日本人街が形成されており、日本の食材や商品、サービスが整っています。日本語だけで買い物や外食ができる環境は、言葉や文化の壁を感じることなく、快適に暮らすための大きな安心材料となっています。ただし、このエリアは家賃や物価が高くなる傾向があるため、移住を検討する際のコスト面も考慮する必要があります。国際都市ならではの、日本との繋がりを感じられるエリアとして、安心感と同時に独自の課題も抱えているのが現状です。

11. 物価がそんなに安くない

生活レベルによる違い

旅行者が感じるタイの魅力のひとつである「安さ」は、実は現地で暮らしていると一面だけではないことに気づかされます。屋台料理やローカルマーケットでの買い物は安価ですが、清潔さや品質、安心感を求めた場合、生活費は日本とあまり変わらない水準になることがあります。住む場所や利用するサービスによっては、東京並みの家賃や生活費がかかるため、移住する際には予算計画をしっかり立てることが必要です。特に中心部では、快適さと引き換えに費用が上乗せされる傾向が強いため、ライフスタイルに合わせた選択が求められます。

12. 教育熱心(過保護)な親が多い

学歴主義と子どもへの期待

バンコクでは、親が子どもの教育や習い事に非常に熱心であることが目立ちます。裕福さや貧富の差が激しい社会背景の中、エリート教育を求める動きが強く、初対面でも学校や職場での経歴を尋ねるなど、教育に対する意識の高さが感じられます。学歴や資格が将来の成功を左右するとの考えから、インターナショナルスクールやバイリンガルスクールに通わせる家庭が多く、子どもの成功に向けて徹底的なサポートが行われています。一方で、過保護になりすぎるあまり、子どもの自立心が育ちにくいというデメリットも懸念されるなど、両面性があるのも興味深い点です。

13. インターナショナルスクール・バイリンガルスクールの普及

英語教育と国際競争力

タイの大都市バンコクでは、中流以上の家庭を中心にインターナショナルスクールやバイリンガルスクールへの進学が進んでいます。これにより、子どもたちは日常的に英語に触れる環境で学び、国際的な視野を育んでいます。公立校でも外国語学科や国際部が設置されるケースが増え、政府自体も英語力向上に向けた取り組みを強化しているのが現状です。こうした環境は、将来的なアジアの国際競争力に直結する部分とも言え、日本との教育事情の違いとしても大きな特徴です。

14. お金持ちが多い

格差社会の中の両極端

バンコクという大都市は、貧困層や路上生活者が目立つ一方で、非常に裕福な層も共存すると言える場所です。ビジネスや不動産投資を通じて資産を築く中華系タイ人など、派手に自己主張をする姿が印象的で、日本では隠す傾向にある金銭感覚がオープンに現れている様子が見受けられます。王室の存在や贈与税の制度など、税制や歴史的背景が影響して、世代間で資産がそのまま受け継がれる仕組みも、格差社会としての一面を際立たせています。それゆえに、タイではお金持ちの姿を日常的に目にする文化が根付いています。

15. 政治の独特な側面

王室・軍・外国勢力の影響

タイでは、政治が身近な存在として浸透しています。王室は国民生活のあらゆる場面で目に入り、学校や公共の場で国歌が流れるなど、国民全体でその権威を尊重する文化が根強いです。また、軍の存在や徴兵制度、さらにアメリカよりもイギリスや中国の影響が強いという歴史的・政治的な背景もあります。新型コロナウイルスのワクチン輸入時にも、イギリスや中国発のワクチンが優先的に選ばれるなど、国際情勢の中で異なる政治的判断がなされることがあり、これは日本とは大きく異なる点として感じられます。

まとめ

タイと日本は、どちらもアジアに位置する仏教国でありながらも、文化や生活の面では大きな違いを持っています。バンコクで暮らす中で実感したのは、豊かな移動手段や信仰に根ざした生活、子どもや教育に対する熱意、さらには政治や経済の現状まで、日本ではなかなか見られない様々な側面です。これは単に「違い」として捉えるだけではなく、タイが持つ独自の魅力や歴史、社会環境を理解するうえで非常に興味深い事実です。移住や長期滞在を考える際は、こうした現地ならではの文化に心を開き、直接体感することで、より深い理解と共感が生まれることでしょう。

本記事で紹介した15の視点は、タイ生活と日本との違いを実感するための一例です。実際に現地で暮らす中で、さらに新しい発見や思わぬ驚きが次々と訪れるはずです。タイの生活は、時に苦労もありますが、その多様性と温かい人々の心遣いに触れることで、移住者にとって忘れがたい経験となるでしょう。移住を検討される方は、ぜひ自分自身の目でタイを見、肌で感じ、そしてその違いを楽しんでほしいと思います。

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