美容医療の需要が高まる現代において、多くの美容クリニックが競争を繰り広げています。
その中でも、全国に100院以上を展開する「東京中央美容外科(TCB)」は、テレビCMや様々な広告で知名度を高め、美容外科業界で第2位の規模にまで成長しました。しかし、インターネット上では「TCBはヤバイ」「やめた方がいい」といった噂も少なからず見られます。
本記事では、TCBの実態について多角的に検証し、そのサービス内容や評判、問題点などを詳しく解説します。美容医療を検討している方々が、より良い選択ができるための参考情報となれば幸いです。
TCB東京中央美容外科とは
東京中央美容外科(TCB)は、2014年12月に福島県で医師の青木剛志氏によって創業されました。2023年9月には美容外科業界最速の創業8年9カ月で全国100院を達成し、現在も店舗数を増やし続けている大手美容クリニックです。
割引やクーポンを使った集客策が功を奏し、美容医療の需要が高まったコロナ禍の2020年以降、毎年売り上げが倍増。24年2月期の売上高は680億円を突破し、湘南美容クリニックに次ぐ業界第2位に急成長しました。
主なサービス内容
TCBでは以下のような美容医療サービスを提供しています:
二重整形・目元整形:埋没法や切開法による二重まぶた形成
目の下のクマ・しわ・たるみ取り:注入法や外科的手法によるクマ改善
鼻の整形:プロテーゼ挿入や鼻尖形成など
小顔・フェイスライン形成:ボトックス注射やリフトアップ手術
医療脱毛:全身や部分的な永久脱毛
ヒアルロン酸・ボトックス注射:シワ改善や輪郭形成
若返り・エイジングケア:様々な美肌治療
TCBの特徴として、「独自の仕入れルートと全国規模の徹底した価格調査により、高品質な治療を地域最安レベルの低価格で提供している」点が挙げられます。また、「万が一の際の保証や返金制度など、盤石のアフターケア体制を整えている」ことも公式サイトでアピールしています。
TCBの評判・口コミ分析
インターネット上でTCBに関する口コミを調査したところ、良い評価と悪い評価の両方が見られました。まずは、それぞれの声を詳しく見ていきましょう。
良い評判・口コミ
TCBに対する肯定的な評価としては、以下のような点が多く挙げられています:
価格の安さ:「4月限定キャンペーンでは、予算内に収まるどころか無料になる施術もある」など、キャンペーン価格の安さが魅力と感じている利用者が多いです。
技術力と実績:「二重整形だけでも累計45万件以上の実績がある」と、豊富な施術実績を評価する声があります。
丁寧な対応:「カウンセリングから施術まで親身に相談にのってくださり」「スタッフの方々に丁寧に説明して頂き安心して施術を受けることが出来ました」といった、スタッフの対応に満足した声も見られます。
アクセスの良さ:「東京中央美容外科グループは、どの院も最寄り駅からのアクセスが良好な通いやすいクリニック」という立地条件の良さも評価されています。
満足度の高さ:「実際に調査したところ93%の方が満足しており」と、多くの利用者が施術結果に満足していることが伺えます。
悪い評判・口コミ
一方で、TCBに対する否定的な評価も少なくありません:
高額な施術への誘導:「宣伝の値段と、全く違う。宣伝では、7,800からと言っているが、見積もりを見てびっくり!70万超え。見積もりを見て、払えないと言ったら、24回払いなら云々と、どうにか、契約させようとする」といった価格や勧誘に関する不満の声があります。
待ち時間の長さ:予約を取っていても実際には長時間待たされるという声も見られます。
従業員への対応問題:「TCBに今年入った看護師は120人くらいいるのですが、そのうちの約100人が、8月の中旬に突然それまで実施することを知らされていなかったテストを受けさせられた」「テストの点数が悪かったからという理由で、『9月末であなたは契約満了です』という雇い止めを言い渡された」など、従業員への対応に関する問題も報じられています。
高圧的な営業手法:「契約を考えている患者に対して、数時間にわたり院内の個室に留まらせる」といった営業手法に関する批判も一部で報じられています。
TCBの問題点と懸念事項
TCBに関しては、いくつかの問題点や懸念事項が指摘されています。これらを客観的に検証していきましょう。
追徴課税問題
2025年2月に報じられた最も大きな問題として、TCB東京中央美容外科を運営する会社や医療法人が、国税当局から申告漏れを指摘され、約9億円の追徴課税を受けていたことが挙げられます。
「関係者によると、「TCB東京中央美容外科」を運営する「メディカルフロンティア」および関連する医療法人は、クリニックの院長を個人事業主として登録し、税務申告を行わせていた。これにより、新規開業の個人事業主に適用される消費税の免税措置を利用し、運営法人としての納税額を抑えていた可能性がある」と報じられています。
「これは、同社が院長を個人事業主と位置づけることで、開業から消費税が2年間免除される制度を適用して、本来支払うべき税を免れたと判断されたため。実際には、院長はTCB運営の「雇われ院長」と位置づけられるべきで、TCB運営が支払うべき消費税を支払わなかったと見なされた」ことが問題視されています。
従業員の処遇に関する問題
週刊文春の報道によれば、「TCBは看護師に結果が開示されない”謎のテスト”を受けさせる他にも、新人看護師を混乱させる研修を行うなど、看護師を追い込んで辞めさせようとするような圧力もかけていた」といいます。
また、「週刊文春」編集部には、複数の看護師から、突然の”クビ宣告”を受けたという被害の声が届いているという状況も報じられています。
営業手法に関する問題
TCBの営業手法についても、一部で問題視する声があります。「美容外科大手の東京中央美容外科(TCB)が、高額契約を迫り次々とトラブルになっている」「契約を考えている患者に対して、数時間にわたり院内の個室に留まらせる」といった指摘もされています。
「勧誘はなかった」「クーポンで無料になった」「あんま人いなかった」という肯定的な体験談もある一方で、「ボト入れた量頑なに教えてくれなかったのだけすごく不満」といった不満の声も見られます。
TCBの医療脱毛サービスについて
TCBの主要サービスの一つである医療脱毛について、詳しく見ていきましょう。
使用機器と特徴
TCBでは「オーダーメイド」や「クイック脱毛」などの医療脱毛を提供しています。すべての患者さまに医療脱毛の効果を実感していただくため、2種類の脱毛器を使い分けているというのが特徴です。
「TCBが導入する最先端脱毛器『Lasya(ラシャ)』は、熱破壊式、蓄熱式の波長全てのレーザーを使い分けることが可能です。複数の波長を含むレーザーを照射することで、深さや太さの異なる毛が混在していても、効果的に脱毛可能」としています。
また、「メディオスターNeXT PRO」を使用した施術により「一般的な医療脱毛では2~3ヶ月の間隔が必要ですが、TCB東京中央美容外科では1ヶ月ほどの間隔で施術ができ」「最短5ヶ月で医療脱毛を完了できる」としています。
予約システムと施術の流れ
TCBでは、「初めての脱毛予約はもちろん、その後の5回分の予約も一度に可能!せっかく契約したのに予約が取れない!というストレスがありません!」と、予約の取りやすさをアピールしています。
「予約の取りやすさ満足度NO.1」「WEBからのご予約は24時間365日受け付けています。お電話による予約は9時~23時まで、年中無休で受付中」と、予約システムの利便性を強調しています。
TCBの美容整形サービスについて
TCBのもう一つの主要サービスである美容整形について見ていきましょう。
人気の施術と料金体系
TCBの美容整形では、特に二重整形が人気を集めているようです。「TCBは二重整形だけでも年間20万件以上の実績がある」「満足度も97.3%」と高い数字を挙げています。
料金については、「TCB東京中央美容外科の二重埋没が、通常29,800円のところWEB予約限定4,800円で受けられる」など、キャンペーン価格を前面に出した宣伝を行っています。ただし、「宣伝の値段と、全く違う」という声も見られるため、実際の料金については慎重に確認する必要があるでしょう。
医師の質と実績
TCBでは多数の医師が在籍しており、「日本美容外科学会(JSAS)正会員、日本形成外科学会(JSAPS)専門医・正会員、日本形成外科手術手技学会会員、日本外科学会会員・専門医」など、様々な資格を持つ医師が在籍していることをアピールしています。
「東京中央美容外科豊胸手術といえば、岡山院院長を務める佐藤麻未先生です。胸の大きさや形など人に相談しにくい悩みでも、豊胸手術経験のある女性医師なら話しやすいでしょう」など、専門性の高い医師も在籍しているようです。
TCBを選ぶべきか?その判断ポイント
TCBを選ぶべきかどうかは、個人の状況や優先事項によって異なります。ここでは、判断の参考となるポイントをいくつか紹介します。
TCBを選ぶメリット
広範な店舗網:全国100院以上を展開しており、多くの地域でアクセスしやすい
価格の安さ:キャンペーンを活用すれば、比較的低価格で施術を受けられる可能性がある
施術の実績:多数の施術実績があり、技術の蓄積がある
最新機器の導入:最新の医療機器を導入している店舗が多い
予約の取りやすさ:24時間予約システムや5回分まとめて予約できるなどの利便性がある
TCBを避けた方がよい可能性がある状況
価格重視ではない場合:広告価格と実際の施術価格に差がある可能性がある
勧誘に弱い場合:高額コースへの勧誘があるという指摘もあるため、明確に断れる自信がない場合は注意が必要
企業の社会的責任を重視する場合:追徴課税や従業員問題など、企業としての姿勢に疑問を持つ場合
個別対応を重視する場合:大規模チェーンのため、個別の細やかな対応を期待する場合は別の選択肢も検討すべき
美容クリニック選びのポイント
最後に、TCBに限らず美容クリニックを選ぶ際の一般的なポイントをまとめます。
事前カウンセリングを活用する
多くの美容クリニックでは無料カウンセリングを実施しています。これを利用して、施術内容や価格、医師の対応などをチェックしましょう。「無料カウンセリングなので金銭的なリスクもないですし、自分の理想も直接伝える事が出来ます」
口コミを参考にしつつ、自分の目で確かめる
インターネット上の口コミは参考になりますが、個人の感想に基づくものも多いため、実際に自分で確認することが大切です。「TCB東京中央美容外科は首都圏であれば複数の店舗があるため、カウンセリングに訪れた際にスタッフの対応を確認して契約を検討することが重要」です。
予算と希望をはっきり伝える
カウンセリングの際には、自分の予算と希望をはっきり伝えることが重要です。「二重埋没を3万円ほどでやるつもりでしたが、結局30万円になりました。強引な勧誘は無かったですが、HPの表示価格よりも高くなるので予算をしっかり伝えたほうがいい」という体験談もあります。
保証内容を確認する
施術後のアフターケアや万が一の際の保証内容についても、事前に確認しておくことが大切です。「埋没はよく糸が緩んだりすることもあり、私はTCBの保証期間が一生涯なので、そこに関しては契約してよかった」という声もあります。
まとめ
東京中央美容外科(TCB)は、全国展開する大手美容クリニックとして多くの施術実績を持ち、比較的手頃な価格で美容医療サービスを提供している一方で、様々な問題点も指摘されています。
最近では追徴課税問題や従業員の処遇に関する問題など、企業としての姿勢に疑問を呈する声もあります。
美容医療は個人の身体に直接関わる重要な選択です。
TCBを含め、どのクリニックを選ぶにしても、複数の選択肢を比較検討し、自分の価値観や優先事項に合った選択をすることが大切です。無料カウンセリングなどを活用して、実際の雰囲気や対応を確かめた上で判断することをおすすめします。