テレビ東京の人気番組「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」(通称:タクうま)で紹介された埼玉県内の隠れた名店たち。地元を知り尽くしたタクシー運転手さんだからこそ知る、本当に美味しいお店の数々をご紹介します。
番組について
「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」は、2022年4月から放送開始されたテレビ東京系列のグルメバラエティ番組です。
全国1000人以上のタクシー運転手に取材し、「全国それぞれの都市の美味しいお店を知っているのはタクシーの運転手さんである」をコンセプトに、地元の隠れた名店を紹介しています。
埼玉県でも数多くの素晴らしいお店が紹介され、どれも地元密着の愛される名店ばかりです。
川越エリアの名店
すぺいん亭(川越市)
1983年創業のスペイン料理の老舗で、パエリアの世界チャンピオンが作る本格的なスペイン料理を楽しめます。オーナーシェフは本場バレンシア・スエカのパエリアコンクールで国際部門1位を6回獲得、総合でアジア人歴代最高位の2位を記録した実績を持ちます。
店内はガウディ建築を彷彿させる異国情緒溢れる空間で、まるでスペインに来たような雰囲気を味わえます。高い天井にステンドグラス、スペインタイルが散りばめられた美しい空間は、一歩足を踏み入れると感動すら覚えるほどです。
看板メニューのパエリアは82年に直径5mの鍋でギネス記録を樹立した逸品。魚介たっぷりで、本場の製法を忠実に再現しています。ランチコースでは、スペインオムレツ、葡萄入り2色のガスパチョ、メイン料理、デザートのラマンチャの華、カプチーノが楽しめます。
店名 | 住所 | アクセス | 営業時間 |
---|---|---|---|
すぺいん亭 | 埼玉県川越市 | JR川越線 西川越駅から徒歩8分 | 11:30-16:00(14:30L.O.) / 17:00-22:00(21:00L.O.) |
浦和・さいたまエリアの名店
なかうらわ食堂(さいたま市南区)
埼玉県の定食の名店ランキング1位に輝いた、2019年創業の新しい店ながら連日大行列の人気店です。開店1時間半で売り切れることもある話題の定食屋で、分厚いのに驚くほどやわらかいトンカツが自慢です。
人気の秘密は豚肉を3日間熟成させてから低温調理で揚げるという独自の製法。この手法により、厚切りでありながら箸で切れるほどの柔らかさを実現しています。運転手さんが「やわらかさナンバーワン」と絶賛するトンカツは、一度食べたら忘れられない味です。
住宅街の中にある小さな店舗で、見つけにくい場所にありながらも、口コミで評判が広がり連日満席状態。注文はタブレット方式で、ライスは大盛り(350g)まで同一料金というお得なサービスも魅力です。
主要メニュー | 価格 |
---|---|
柔らか厚切りトンカツ定食 | 1,100円 |
ビーフハンバーグ定食 | 1,250円 |
カニクリームコロッケ定食 | 950円 |
越谷エリアの名店
そば処久伊豆(越谷市)
宮内庁のおもてなし料理として100年以上愛される鴨すきが味わえる老舗そば処です。越谷市には「宮内庁埼玉鴨場」があり、鴨すきは越谷の誇る伝統的な郷土料理として受け継がれています。
こちらの鴨すきは完全放牧・有機農法で育てられた最高級の合鴨を100g使用。脂は低温で溶け、しつこくなくさっぱりとした味わいが特徴です。大根おろしと醤油でいただく上品な味付けで、口の中でとろけるような食感は絶品です。
越谷ねぎと厳選した鴨肉の組み合わせは、地元の特産品を活かした逸品。埼玉S級グルメ提供店舗にも選ばれており、越谷の伝統を味わえる貴重なお店です。そば・うどんも手打ちで、そば屋ならではの本格的なだしが自慢です。
所沢エリアの名店
さやま食堂(所沢市)
埼玉西武ライオンズファンの間では超有名な聖地として知られる、ベルーナドーム近くの老舗中華食堂です。選手や球団スタッフもよく訪れ、店内には選手のサインやバット、ユニフォームなどが所狭しと飾られています。
マスターの山崎さんは佐賀県出身で、24歳で結婚後に奥様の実家であるこの店に入りました。もともとラーメンの食べ歩きが趣味だった山崎さんが作る長崎ちゃんぽんが名物で、関東No.1との評価も受けています。
メニューは60種類以上と豊富で、チャーハン(680円)、カツカレー(1,100円)、カツ丼(930円)など、どれもボリューム満点。選手やファンが同じお客様として扱われる暖かい雰囲気で、暗黙のルールを守りながら多くの人に愛され続けています。
西武球場前駅から徒歩6分とアクセスも良く、野球観戦の前後に立ち寄るファンも多数。スタミナ焼肉定食も人気メニューの一つで、体力勝負の選手たちにも愛されています。
その他の埼玉の隠れた名店
ユーディーベーカリー(川口市)
川口市安行にある小さなパン屋さんで、一日60個限定の巨大あんぱんが話題の店です。玄米を練り込んだ生地で150gのあんを包み、240度のオーブンで焼き上げる逸品は、焼き上げ時間が朝8:45と昼11:45の2回のみ。地元の人たちに長年愛され続けている隠れた名店です。
チョコレート工房てら山(大宮区)
大宮駅近くにある知る人ぞ知る生チョコの名店。手作りの生チョコは濃厚で上品な味わいで、売り切れ必至の人気商品です。小さな工房ながら、その味は多くの人を魅了し続けています。
埼玉グルメの魅力
埼玉県は首都圏でありながら、豊かな自然と伝統的な食文化を持つ地域です。川越の小江戸情緒、越谷の鴨場文化、所沢の野球文化など、それぞれの地域に根ざした独特のグルメ文化が息づいています。
地元の食材を活かした料理が多いのも埼玉グルメの特徴です。越谷ねぎ、深谷ねぎ、狭山茶など、埼玉の特産品を使った料理は、その土地でしか味わえない特別な美味しさがあります。
また、職人気質の店主たちが多いのも埼玉の飲食店の特徴。長年の経験と技術で作り上げられる料理は、どれも深い味わいと温かいおもてなしの心が込められています。
タクシー運転手さんが教える美味しい店の見つけ方
番組に出演するタクシー運転手さんたちは、長年の経験で本当に美味しい店を見極める目を持っています。彼らが口を揃えて言うのは、「地元の人で賑わっている店」「職人さんの顔が見える店」「昔から変わらぬ味を守っている店」が本当に美味しい店だということです。
また、住宅街の中にひっそりとある店や、看板が控えめでも行列ができる店には、必ず理由があるとのこと。観光地の派手な店よりも、地元の人が普段使いしている店の方が、本当の美味しさに出会える可能性が高いそうです。
埼玉グルメ巡りのおすすめコース
川越・浦和コース
川越の「すぺいん亭」でランチを楽しんだ後、小江戸川越の街並みを散策。その後、浦和の「なかうらわ食堂」で夕食というコースがおすすめです。スペイン料理と和食という異なるジャンルの名店を一日で楽しめます。
越谷・所沢コース
越谷の「そば処久伊豆」で伝統の鴨すきを味わった後、所沢に移動して「さやま食堂」でちゃんぽんを楽しむコース。野球ファンなら、ベルーナドームでの試合観戦とセットで楽しむのも良いでしょう。
お店を訪問する際の注意点
これらの店は番組で紹介されたことにより、非常に人気が高くなっています。開店前から行列ができることも多いため、時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。
また、売り切れで早めに閉店することもあるため、事前に電話で確認することをお勧めします。特に「なかうらわ食堂」のように開店1時間半で売り切れることもある店では、早めの来店が必要です。
駐車場の有無も事前に確認しておきましょう。住宅街にある店では駐車場が限られていることが多く、公共交通機関の利用がおすすめの場合もあります。
地元愛に溢れる店主たち
番組で紹介された店に共通するのは、店主の地元愛と料理への情熱です。すぺいん亭のオーナーシェフのように世界レベルの技術を持ちながら地元に根ざして営業を続ける方、なかうらわ食堂のように新しい店ながら地元の食材と技術にこだわる方など、それぞれが地域に貢献したいという強い思いを持っています。
そば処久伊豆では越谷の伝統料理を守り続け、さやま食堂では地元球団を支える拠点として機能しています。こうした地域との深いつながりが、料理の美味しさの根底にあるのです。
埼玉の食文化の未来
「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」で紹介されることにより、埼玉の隠れた名店が全国に知られるようになりました。これは地方の食文化を全国に発信するという意味で非常に価値のあることです。
一方で、急激な人気上昇により、地元の常連客が利用しにくくなるという課題もあります。観光客と地元客の両方が快適に利用できる環境を維持していくことが、これらの店にとっての今後の課題となるでしょう。
しかし、これらの店主たちの料理への情熱と地元愛を考えれば、きっと良いバランスを見つけて、末永く愛される店として存続していくことでしょう。
まとめ
「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」で紹介された埼玉の名店は、どれも地域に根ざした本物の味を提供する素晴らしいお店ばかりです。川越のスペイン料理から越谷の郷土料理、所沢の中華まで、多様なジャンルの料理が楽しめるのも埼玉グルメの魅力です。
これらの店を訪れることで、埼玉の豊かな食文化と温かい人々の心に触れることができるでしょう。タクシー運転手さんたちが長年愛してきた味を、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。
地元を知り尽くしたタクシー運転手さんだからこそ知る真の名店。その味は、きっと皆さんの心に残る特別な思い出となることでしょう。埼玉グルメの奥深さを、ぜひご自身の舌で確かめてみてください。