2025年10月、話題沸騰中のサイゼリヤがグランドメニューの改定を発表しました。今回の改定で登場した新作メニューは、「タラコフォッカチオ」と「ビーフステーキ」です。地域によっては「ラム(仔羊)のランプステーキ」が提供される店舗もあるようで、まさにサイゼリヤは「ラム派」と「ビーフ派」の二本立てに分かれているかのような状況になっています。実際に私が訪れた埼玉県の店舗はビーフステーキ派。改定直後にも関わらず、店舗内には隠しメニューや予告されていない新作は見当たらず、公式発表に沿った形での導入だと感じました。
タラコフォッカチオの魅力
出来立ての美味しさ
まずは「タラコフォッカチオ」から紹介します。注文してしばらくすると、ふっくら焼き上げられたフォッカチオが運ばれてきました。サイズ感や生地のクオリティは、他のフォッカチオと大きな違いはなく、安定感のある仕上がりです。タラコとチーズの組み合わせは、以前サイゼで提供されていた「タラコとポップコーンシュリンプのドリア」とも似た味わいで、タラコファンなら安心して楽しめる一品です。
新たなタラコメニューとしての存在感
従来、パスタ、ドリア、グラタンなど、タラコを使ったメニューは複数ありましたが、今回のフォッカチオ追加によって、またひとつ楽しみの幅が広がりました。250円というお手頃な価格も、気軽に試しやすいポイントと言えるでしょう。
新作ビーフステーキ実食レビュー
ビジュアルと提供スタイル
今回最大の注目を集めたのは「新作ビーフステーキ」。価格は1090円と、ステーキメニューとしてはシンプルな設定です。目を引くのは、一枚の大きなステーキではなく、2枚組みのセットという提供スタイルです。個人的には大きな塊肉の方が視覚的な満足度が高いと感じるため、このサイズ感には少し物足りなさもありました。しかし、見た目のインパクト以上に、肉の質や焼き加減の工夫に着目する価値は十分にあります。
焼き加減と肉質の評価
ビーフステーキは、薄め(約1cm以下)のカットで提供され、価格相応の量としては妥当です。焼く前は大きく見える肉も、塩で水分を抜いてからグリルされ、見事な焼き色と共に、肉汁を閉じ込めた仕上がりに。外は香ばしく焼かれ、中はジューシーさがそのまま保たれており、まさに理想的な焼き加減を実現していました。肉質自体は特筆すべき点があるわけではありませんが、丁寧な下処理と焼きが味わい深さを生み出しており、料理人の技術が感じられる一品です。
シンプルな味付けで引き立つ肉本来の旨味
塩とオリーブオイルだけの美学
今回のビーフステーキにおいて、興味深い点はソースの選択にあります。ガルムソースが用意されているものの、実際に試食してみると、塩とオリーブオイルだけでも十分に肉の旨味を引き立てることが実感されました。あえて余計な味付けをせず、肉汁や香ばしさ、そのままの風味を楽しむというシンプルなアプローチは、一定のファン層には非常に魅力的に映るでしょう。
赤ワインとの相性を考えた一皿
また、サイゼリヤと言えばリーズナブルな赤ワインが定番ですが、ビーフステーキとの組み合わせでは、個人的には「キャンティ ルフィナ リゼルバ」など、もうひとつ深みのあるワインと合わせることで、より一層料理の完成度が上がるのではないかという提案も浮かびます。シンプルな味付けだからこそ、赤ワインとのペアリングが映えるのは、食事をする上での楽しみのひとつと言えるでしょう。
店舗ごとのメニューの違いについて
サイゼリヤのグランドメニュー改定においては、地域や店舗によって提供されるステーキの種類が異なるのが興味深い点です。たとえば、ビーフステーキが提供されている店舗と、ラムのランプステーキが提供される店舗が存在するため、サイゼリヤ全体で均一なメニュー内容というよりは、それぞれのエリアの特性や戦略が反映されている様子が伺えます。公式サイトによると、ラムのランプステーキは主に西日本の店舗で展開されており、地域ごとのバリエーションが楽しめる仕組みとなっています。
総合評価と今後の展望
新たに追加された「タラコフォッカチオ」と「ビーフステーキ」は、どちらもサイゼリヤならではの手軽さと美味しさを追求したメニューと言えます。特にビーフステーキにおいては、肉の状態、焼き加減、そしてシンプルな味付けが合わさることで、1090円という価格以上の満足感を提供しています。もちろん、見た目のインパクトにおいては、もっと大きな塊肉を期待していた方もいるかもしれませんが、食べた瞬間に感じる美味しさと、一定のクオリティを店舗全体で維持する工夫が見受けられました。
今後のサイゼリヤグランドメニューの展開においては、今回のようなシンプルかつ素材本来の味を重んじる一線を画すアプローチがさらに広がっていくのではないかと思います。さらに、スマートオーダーのシステムにおいても、ソースやドレッシングの選択番号をもう少し充実させると、忙しい時間帯でも自分好みのアレンジが可能になり、顧客満足度が向上するのではないでしょうか。
まとめ
サイゼリヤの今回のグランドメニュー改定は、今までの定番メニューの枠を超え、タラコフォッカチオと新作ビーフステーキという二本立てで新たな魅力を発信する挑戦でした。タラコフォッカチオは、これまでのタラコメニューに新鮮な風を吹き込み、誰でも楽しめる味わいに仕上がっています。一方、新作ビーフステーキは、シンプルながらも肉本来の旨味を引き立てる絶妙な焼き加減で、塩とオリーブオイルのみで十分楽しめる逸品です。
今後もサイゼリヤがさらなる改定や新メニューを展開していくことを期待しつつ、今回の試食記事を通して、シンプルな美味しさとコストパフォーマンスの高さが再確認できたと感じています。皆さんもぜひ気になる店舗で新メニューを試してみて、一度その味わいを体感してみてください。


